Case 相談事例
コンプライアンス

煩雑な行政手続を回避しつつ、共同住宅から保育園への用途変更を実現(※現在計画進行中)

2方向避難経路の確保が困難

某学校法人が経営する保育園は、一つの建物に共同住宅が混在する状態でした。どちらも学校法人が経営・所有していますが、保育園のニーズが地域で高まっていることもあり、共同住宅部分を保育室に改修することになりました。

建築物には用途毎に定められた法令が適用されるという大原則があり、共同住宅から保育園に使い方を変更する場合、用途変更申請という行政手続きを行う必要があります。用途変更は一般的に考えられるよりハードルが高く、法令を満たす改修が実質的に不可能なため事業計画を断念せざるを得ないということはよくあります。

本計画では「2方向避難経路」の確保が大きな課題でした。保育園の場合、保育室から2つの避難階段に至る経路をそれぞれ確保しなければいけません。また、保育室→廊下→保育室→避難階段というように、廊下を挟んでの避難は経路として認められません。既存建物はエレベーターホール・廊下を挟んで保育室、共同住宅があるため、当該の避難経路が確保できない状態でした。この点を解決しなければ改修はできない状態でした。

初期投資を抑えるために廊下をなくすという提案

避難階段を共同住宅側に設置することは一つの解決策ですが、100万円以上のコストがかかります。初期投資はなるべく抑えたいというのがクライアントの意向でした。そこで、「廊下をなくす」という代替案を提案しました。保育室→廊下→保育室→避難階段という経路は認められませんが、保育室→保育室→避難階段という経路は認められる可能性が高かったのです。担当部局、所轄の消防署と協議を行った結果、避難経路の混乱などは生じないと認められ、本計画の最大の課題はクリアできました。

計画の工夫により担当部局・所轄消防より許可がおりる

2021年5月現在、担当部局・所轄消防との事前協議を終え、現在は改修工事の準備中です。
このように法令趣旨を正確に把握し計画の工夫を行うことで、用途変更が可能になったりコストを大幅に低減できます。

その他のご相談事例

環境改善
換気設備がない幼稚園に全熱交換器の設置提案。コロナ禍から園児を守る

建物のどんなお悩みでも
アトリエMEMEにご相談ください。

アトリエMEMEでは、一級建築士事務所としての設計スキルと学校法人のアドバイザー実績をもとに最適なご提案を行います。
今抱えている建物の課題やお悩みをお気軽にご相談ください。